チラシの裏のメモ書き

嘘と本当もあるちゃんと言えないブログ

片想いの終わり その1

 高田に「中川くん、病院に行こうと思うんだ。どの花がいいと思う?」と聞かれた。誰かが入院でも、しているのだろうか。俺は、よほど怪訝な表情をしていたのだろう。ポツンと、言った。
 「母が入院しているんだ。面会に行こうと思って……」
 全くそんな話は、知らなかった。そういえば、高田からは家族の話はなにも聞いたことがなかった。特に、家族の話は避けているようだから、聞くのは控えていた。
ふと、三和の事を思い出した。彼女からの連絡は、避けていた。けれども、高田のギュッと、絞られたような表情を見ていると、三和を思い出した。彼女に高田が重なって見えた。言葉が知らぬ間に口から出てきた 
 「知り合いに、というか、俺の嫁さんが花屋で働いているから、花を選んでもらいましょうか」
 嫁さんという言葉は、ズルズルと口から出てきた。
 「え、中川くん、結婚していたの?」
なんだろう。少し顔色がよくない。自分の母に会いに行くのや、病院ということは、そんなにショックなことなのだろうか。三和の顔がまた、重なって見えた。あのとき、彼女もそんな顔をしていた。
ズキズキと、心が痛んだ。逃げたこと、今さら三和に花を選んでもらうことはよくない。けれども、いつまでも逃げ続けるわけには行かない。三和には、言わねばならないことがある。
久しぶりに三和に連絡をとった。繋がらなかった。着信履歴を残しておけば、かけ直してくるだろう。そういえば、最近、電話がかかって来なくなった。どうしたのだろうか。