チラシの裏のメモ書き

嘘と本当もあるちゃんと言えないブログ

花屋という働き方。

桜井三和の職業は、花屋の店員だ。
三和は、幼い頃から、花に囲まれて育っていた。彼女は、隣の市にあるCULANDO(クランド)というお店で働いていた。
花屋になるのは、小さいときからの夢だった。大学の頃には、図書館司書という夢もあったし、在学中には中学の社会の教員免許を取ろうともしていたが、教育実習から逃げた。
中学の生徒との間に不埒な噂をする女子生徒があり、噂が広がり、途中で学校に行けなくなってしまったのだ。
昔から学校という場所が苦手だったのもあり、彼女は逃げ出した。
今でも中学生や、高校生の女性や男性の集団例えば、それがたった三人組だとしても、吐き気がする。
逃げ出したあとは、大学に戻り、普通に卒業はした。その後は就職はせずに、第二の夢を追いかけていた。
学校に入り直すために、喫茶店でウェイトレスをしながら、お金を稼ぎ、花の専門学校に通った。スイミングスクールのアルバイトは、昔、水泳を習っていたからという理由で選んだ。時給は、今の給料より、少し少ないぐらいで、そんなに変わらないと、三和は考える。

花屋は、駅に近い商店街の中にある。
お店は、京都に老舗を持つお菓子屋さんと、パン屋さんに挟まれている。大型ショッピングモールから帰宅するお客さんや、ちょっとした時に花を買いに来る方でにぎわう。

花を買いに来るのは大人だけではない。
小さなお子さんもだ。
花選びでは、失敗することが多い。

物語みたいに、「ここの花を買って、よかったです」と言われるのが三和の夢だ。

 花を選ぶお客様の話を聞くと、つい、口を出したくなってしまう。けれども、それを言うと、上司の結崎さんに注意されてしまう。
「大事なのは、あなたがいいと思う花を買って、買ってと気持ちを押し付けることじゃないのよ。その花を買いたい人の、気持ちに寄り添うことなのよ。選ぶのは、お客さんなんだから。それをうまく包むのがあなたの、お仕事」と。彼女に頷きながら、今日も仕事をする。
 
 三和にはもうひとつ、夢がある。それはお客様との会話から、似合う花を選ぶということだ。そのためには、常に話をよく訊くことが大事になる。話に夢中になると、視野が狭くなってしまうのと、一人ひとりと話していては商売にならない。だから、今は花を包むこと、買い入れる花を選ぶこと、どのような花が売れていくのかを見ている。よく観察することが大事だと、結崎さんも言う。帰り道、野道に花があると見とれてしまう。
中川とのデートでも、植物園に行きたいとお願いした。