チラシの裏のメモ書き

嘘と本当もあるちゃんと言えないブログ

お祈りでは治らないけど

 父方の祖母は、介護を経験してきた人だ。昔の介護は、病院とか、養護ホームとかがないから、家で、主に嫁が親や介護者の面倒を見るという形だった。だからか、いつも、言っていた。『人に迷惑をかけるのが嫌だ』と彼女は、いつも、言っていた。また、彼女は、長く生きてきたから、医療施設で死んでいるのに生きているような人(失礼ながら、そう表現する)を見てきた。また、自分の夫や、舅が病院で生かされ、長く介護をした経験もあった。延命は家族の思いから、そうなったのだろう。本人の意思かもしれない。
 そんな現実を見て、彼女は言った。『タイ子さんは、ポックリ行った。タイ子さんというのは、祖母の姑で、庭先で転んで、すぐに亡くなってしまったらしい。わしは、延命治療はしてほしくない。あんな風に、ポックリいきたい』とも言っていた。
 彼女は、延命治療を望まなかった。痛みを癒すことはしても、生きることは望まなかった。家族は、どう思っていたのだろう。
 祖母は、自分が家族にすごく迷惑をかけるのだけは嫌がっていた。また、孫のわたしが病気になった時、彼女の娘が病気になった時、さまざまな困難があった時、神様、仏様にお願いをしていた。

 もう一人の祖母もそうだ。いつも、自分よりも、自分の家族が困った時に、神様にお願いしていた。自分のご先祖様にお願いしていた。彼女は、孫の私達が遊びに行くと言う。『良い方向に向かいますように。守ってくださいと、毎朝、毎晩お願いしているから』と。
 彼女は、早くに母親を亡くして、叔母と、自分の祖母に育てられた。彼女のいとこたち(叔母の娘さん方)は、みな年上の女性ばかりだった。『姐さん、姐さん』と、頼って、みんなに可愛がってもらって、育ったそうだ。その生い立ちもあり、世代を一代飛ばした考えがある。
 祖母はその祖母から受けた教育方針があり、神様や仏様(ご先祖さま)にお願いするという部分がある。

 私はそれが、すごく重荷だった。早く治れと言われているような気がしていた。
 特に母や祖母たちが地元の神社やお寺さんにお金をかけて、病気祈願のお願いしていると聞くと、ぞっとした。そんなことはして欲しくない。そんなお金があるなら、自分のために使ってほしいとすら、思っていた。
 今、勝手に思う。お金をかけていいと思ってもらえていたのだな。病気祈願で病気も治らないけれども、祖母たちが気にかけてくれていたのだな。