チラシの裏のメモ書き

嘘と本当もあるちゃんと言えないブログ

声なき悲鳴

いまだに悲鳴が聞こえてくる。自分の声なき悲鳴だ。

部屋の中で母が、足を滑らせて、鉄パイプの椅子を落とした。自分は後ろを向いていて、『ガッシャーン』という凄い音を聞いた。そして、足にジンジンという痛みを感じた。心の中で悲鳴や泣き声がしている。多分、鉄パイプの椅子の端があたったのだ。
母は、その時、部屋で電灯の付け替えをしていた。パイプ椅子の金具が外れたのか、何かの拍子に電球ごと、滑ったらしい。
自分の悲鳴や泣き声をゴクンと飲み込み、恐る恐る後ろを振り返った。
母を抱き起こし、恐る恐る歩いて、割れた電球を掃除機ですいとり、倒れた鉄パイプ椅子をおこした。
今は泣いてはいけない。母を労らなくてはいけない。
そのまま、泣きそうな自分を置き去りにして、なんとか、冷静に対処をしようとした。
こうして夜、泣きたい自分があらわれる。あの部屋に居ると、まざまざと、記憶が甦る。
ちょっとした事なのに、記憶の中の自分が泣きたくて、叫びたくて、まだ、我慢をしている。もう、大丈夫だよ。もう、泣いても良いんだよ。痛かったね。頑張ったね。よく、我慢したねと言い聞かせてみる。