かさぶたを取るように

思い出す。空気を読めないと言われた。とりあえず、人間観察して、この時にはこういう返事とか、対応になるみたいな予想をつけてるけど、やっぱり予想が外れる。そして、対応に困る。
職場の人を上手にフォローしたり、助けたいから、そうしようじゃない。ただただ『空気を読めない』と叱る紫舟さんに叱られたくないから、周りを観察する。全く、動機が良くない。
理想的には、自分はエネルギー源としていて、しっかり観察して仕事をこなせる力をつけたい。無駄にエネルギーがあるから、上手に周りを巻き込みたい。でも、人の気持ちを考えれないからか、人を踏みにじっている。そして、叱られる。特に紫舟さんを、踏みにじっている。
紫舟さんのやったことを踏みにじらないようにしたい。紫舟さんを、たてれるようになりたい。
叱られたくない。もう、痛い思いはしたくない。自分が相当キツい言葉を使うの、知っていてやっているのだろう。他人の痛いとこばかりついてくるのは、いっぱい傷ついたからなのだろうな。
いつ突こうか、いつ、突こうかと狙って、自分を守るために観察するのだろう。もしかしたら、紫舟さんは痛みに弱いから、そうして相手の痛いとこを先に見つけるようになったのかもな。
叱るにはエネルギーが居る。紫舟さんに対してはいつ、怒られるのか、どうしたら叱られないかばかり気にして、あまりよい方には自分は、行ってない。
今こうして、書くうちに、紫舟さんが『ほんまに、自分のためと思って叱っているのかな?』と思う。ただ、間が悪いときに私が怒らせるようなことをした。
正論で、傷ついた気持ちを守り、自分が潰されないように感情的に怒りをぶつけているのかもと、思ってしまう。紫舟さんは、いっぱい痛い思いをしてきたのだろうな。そして、自分がまた、痛みに塩をもんでしまうのだろう。
どうしたら、叱られないじゃなくて、どうやって、紫舟さんをこれ以上傷つけずにすむだろうか。
自分も痛い思いをせずにすむだろうか。

頭でわかってます

頭で理解しても、出来なかったら、意味がないのだ。

係長曰く
>>長所
1、やる気がある。
2、着眼点が面白い。
3、動きが早い

>>短所
1、役割や役職を無視して動く。
2、相手の気持ちを無視して動く。
3、作業や行動が粗っぽい。無神経。
4、優先順位付けが下手。
5、途中で頓挫しそうな計画をする(自分の出来ることをわかっていない)
6、仕事を家に持ち帰る、残業してしまう。


1のこと

事務所に話をする場合に、階級を無視してしまう。だから、アルバイト→現場リーダー→係と現場の受け皿→課長補佐→全体という流れを守る。
アルバイト→事務みたいな流れがある。もっと、現場リーダーさんに頼り、聞いて、相談しなきゃならない。


2のこと
仕事では、現場リーダーという現場経験の長い人に、お伺いを立てる、相談する、考えを聞くということが出来ていない。失敗したら自分で処理しようとしてしまう。だから、ほうれん草を、現場リーダーさんにする。現場リーダーさんや、周りとコミュニケーションを仕事以外でも取る。

3のこと
声が大きくて、周りをびっくりさせてしまう。
例えば、見出しに裏紙を使う。
例えば、自分でやりやすい作業をする。→以前までのやり方を無視した作業。
例えば、仕事の時間外に、仕事の話をする。
周りを観察して、良い例を真似る。

4のこと
自分の任された作業を優先せず、とっさにあれこれ、動く。結果的に、すべてが中途半端になる。

正しいだろう優先順位は、
1、お客様と、周りの気持ちを考えて動く。 
2、自分の役割で任された作業をする。
3、手が空いてたら、通常業務を必ずする。さらに周りを助ける。
4、最終的に自分の気づいたことをする。


私の中だと
1、お客様
2、自分の気づいた作業、周りのお手伝い
3、役割で決まった作業
4、通常業務
………周りの気持ちがない。

という流れがある。
最近、なんとか、2と3と4が反転してきている。

5のこと
無計画に計画をたてて、結果的に一人でつぶれる。だいたい、これだ。
→ある事をやりたいと言い出した。しかし、途中で(周りからのプレッシャーという)妄想でしんどくなる。考え過ぎて、ストレスで、眠れなくなる。さらに、それを周りに訴える。体に風邪みたいな病状が出てくる。
→休む。
休む前に、事前に交代の人をたてた。会社側にも、事前に休むことは連絡していた。
しかし、休んだ当日には、周りへの連絡が足りず、現場は混乱。さらに、交代を頼んだ人にも休まれた。全部、自分の招いたせいみたいだ。言われてないけど、係長からはそう愚痴られた。
他に、人とあつれきをおこす。良かれという仕事のアドバイスに、個人的な感情から反発する。個人的な感情で、仕事で尊敬できない人からのアドバイスに反発してしまう。
そういう態度を係長から叱られた。自分の個人的な感情を見つめ、反省する。仕事に個人的な感情を持ち込むのはおかしい。だから、しっかり、反発した人にも謝罪する。半年かかって、作業が、完成する。

謝る部分は自分で考えて、謝った。けれども、それがよくない。仕事をちゃんとして、周りを気遣うのがお礼や謝罪だと思う。口先だけより、行動でしっかり、周りをフォローしたり、助けたりする。
出来てないから、常に観察して、計画をたてて、いっぱい失敗して、シミュレーションをして見て考え続けるしかない。
最悪、仕事後も家であれこれ考えて辛くなる。だから、家では考えるのをやめる。離れる。一番苦手かも。

6のこと
休憩を無視して、仕事をする。あるいは、出来なかったぶんを無断残業で取り戻そうとする。

出来ないことは、明日に回せば良いとわりきる。

休憩を取らないと、効率が悪くなる。だから、休憩をしっかり取る。しかし、休憩を取るのは苦手だ。仕事が頭から抜けない。そのせいで、休憩が苦痛だ。だから、休憩場所を変えたり、外の空気を吸いに行く。

効率よく仕事が終わるように、事前に頭の中でシミュレーションをする。そうして、仕事をする。

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声なき悲鳴

いまだに悲鳴が聞こえてくる。自分の声なき悲鳴だ。

部屋の中で母が、足を滑らせて、鉄パイプの椅子を落とした。自分は後ろを向いていて、『ガッシャーン』という凄い音を聞いた。そして、足にジンジンという痛みを感じた。心の中で悲鳴や泣き声がしている。多分、鉄パイプの椅子の端があたったのだ。
母は、その時、部屋で電灯の付け替えをしていた。パイプ椅子の金具が外れたのか、何かの拍子に電球ごと、滑ったらしい。
自分の悲鳴や泣き声をゴクンと飲み込み、恐る恐る後ろを振り返った。
母を抱き起こし、恐る恐る歩いて、割れた電球を掃除機ですいとり、倒れた鉄パイプ椅子をおこした。
今は泣いてはいけない。母を労らなくてはいけない。
そのまま、泣きそうな自分を置き去りにして、なんとか、冷静に対処をしようとした。
こうして夜、泣きたい自分があらわれる。あの部屋に居ると、まざまざと、記憶が甦る。
ちょっとした事なのに、記憶の中の自分が泣きたくて、叫びたくて、まだ、我慢をしている。もう、大丈夫だよ。もう、泣いても良いんだよ。痛かったね。頑張ったね。よく、我慢したねと言い聞かせてみる。

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音に鈍感にならねば

外の音がひどく、神経質になる。
赤ちゃんの泣き声、野良猫の鳴き声は仕方ない。何をそんなに激しく、訴えたいのだろうか。満たされないのだろうか。
若い女性の短い悲鳴が聞こえた時は、思わず窓から顔を出そうとして、怖くて止めた。ふざけあっていたのか、なにかがあったのか、ぞっとする。自分の身の安全第一で、そういう気持ちに気づいてぞっとした。 
食べ過ぎたのか男性がげっぷをする音は、聞いてて気持ちがよくなかった。あの吐きそうに辛い、止まらないゲップの苦々しいのを思い出した。

男性がしきりとひどく吐きそうな咳き込みをする音は、トローチをあげたくなった。咳き込むと吐きそうな経験もするので、しんどい咳は聞くのが辛い。喉を水分で潤すか、うがいでもして、喉に優しくして欲しかった。聞いてるだけで、辛くなる。かってなもんだ、自分。

最近の車についているらしい、しきりと危険を察知して何十回とアラームを鳴らす音は、何分間かに一回の確率で鳴り響く、持ち主は何をしているのだろうか。夜に10時にあのアラームが鳴るのは、車の持ち主が安眠妨害で訴えられても仕方ない気がする。

扉の前でいきなり叫んで、どっかに去った男性の音。殺人現場でも見たのだろうか。嫌がらせにしか、聞こえない。

夜に扉をガチャガチャ開閉する音もよろしくない。静かに閉めてほしいのに、無理みたいだ。

ゴミ出しに行って、嫌にゴーゴーって音がすると思えば、自分の部屋の洗濯機が乾燥機を回転させる音だった。部屋の外まで丸聞こえで、生活音もかなり、丸聞こえなのだろうか。

全く、夜は落ち着かない。おちおち、窓すら開けていられない。

片想い-悪い魔女の呪い〈1〉

 三和には、紫舟さんと付き合う前に、ベタぼれしていた彼女が居た。彼女の名は、伊勢田 京(イセダ キョウ)という。
 三和と京が、別れた原因は、京に好きな人が出来たからだ。三和は突然に電話で『気持ちがわからない』と別れを切り出された。
 京は、女性だが、女性とも、男性とも付き合える。しかし、聞いてみれば、ほぼ年上のしっかりした男性とお付き合いをして来たそうだ。女性は、三和が初めてだという。三和は京より、2歳年下だった。京は、三和より年上にも関わらず、大きな弟のようだった。女性に対して、男のようだというのは、大変失礼だが、そうなのだから、仕方がない。いたずらが好きで、小さな男の子のように目を輝かして、いたずらをした話をする。見た目は、日本人形のようだった。おかっぱで着物がよく似合う。
 京は、人をよく見る女だった。祖父母に厳しく育てられたせいかもしれない。
 京の伊勢田という名字は、母の姓だ。京の両親は恋をしていた。しかし、京の父は名の知れた服屋の跡継ぎだった。京の母には兄が一人いるだけで、家族はそれきりだった。母方の両親は早くに他界し、母は、裁縫仕事をしながら、学校を出たらしい。二人は結婚を反対され、家を出た。父方の実家とは、絶縁状態だった。しかし、京の母が病気となり、やっていけなくなって、父が実家を頼った。
 祖父母のもとで援助を受けながら、京は育った。父の代わりのように、しかし、顔が憎い母に似ていたため、時に憎しみをこめた目を向けられた。
 京も言っていたが、男性のように見えるのは、祖父母宅で時に男子のように振る舞えという無言の圧力を受けたからのようだった。 
 しかし、中学と高校は一貫の女子校に入れられた。周りは女子ばかりで、環境的に好きな人も居たらしい。告白はしなかったようだが。
 京は、両親とも祖父母とも早く離れたいと思っていたようだ。大学生の時に東京から、身内が母方の兄しかいない、京都に来た。
 いろいろあったようだが、大学の頃の話は、三和はよく知らない。
 彼女は、調理師の免許を持っている。調理師として、彼女は病院の調理場で働いていた。三和と出会ったのは、病院でだった。
 しかし、女二人の付き合いや、父方の実家から逃れたいという京の気持ちはうまくいかなかった。
 三和は、京と付き合う中で、何度も傷ついた。そして、結果的にフラれた。京には、誰でも選びたい放題だったろうと、三和は思う。
 さて、京と三和は別れて以後は、三和が伊勢田京をブロックする形で音信不通だった。
 しかし、携帯電話の非通知で電話をかける程度には、三和は京に気持ちが残っていた。
  三和は、京と別れた時に、自分で自分にとけない呪いをかけた。
 それは、自分でとこうと思えばとけるのだが、時間がかかり、勇気も居るのだった。
 桜井三和は勝手に呪いに名をつけた。名を『悪い魔女の呪い』という。
 昔話で三和は読んだことがある。悪い魔女の呪いで、カエルになった、ある国の王子様が居た。王子様の呪いを解くのには、心から彼を愛する女性のキスが必要だった。そういう設定だった。
 三和は、京にフラれた時に、『自分が醜いカエルのようになった』と思った。カエルを好きな女性は、ほぼいないからだ。しかし、三和は自らをカエルだと思う一方でこうも思うのだ。
 本当に、呪いをとくのに相手は必要なのだろうか。呪いを解くのに、必要だったのは、自分で自分をカエルでも良いと思うことではなかろうか。『愛する女性のキス』というのも、自分を受け入れてくれた存在という設定だと裏読み出来る。受け入れる存在は何も他者でなくていい。自分自身で呪いを解くことだって、出来る。三和は、病院に通いながら、そう思っていた。けれども、彼女は自分で呪いから抜け出すことはしなかった。

気分に鈍感

洗濯を干したくなくて、何回も乾燥機にかけてしまう。けれども、干さざるをえなくて、仕方なく干す。すると、パリパリの洗濯と、洗濯の洗浄液の良い臭いに、気持ちがよくなってくる。『なんで、あんなに面倒くさがったんだろう』とか思う。
これは、お風呂にも言えることで、風呂に入るまですごく時間がかかる。入らなかった翌日に髪の毛とかが、ベタベタしてると、すごく気持ち悪い。
『あー風呂に入りたい』と思いながら、1日を過ごす。そして、思いきって『入るぞー』と思って、帰宅して、疲れて、夕飯も食べずに寝てしまう。そういう時は朝起きてから、また、後悔する。
風呂に入って湯船に浸かってみたら、普段は感じないことを感じる。身体の声が聞こえる。『お腹も空いた』とか、『肩がこってるな』とか、身体が疲れていることがわかる。
風呂からでて、外で働いていてだいぶ身体が緊張していて、湯船で解放されたことがわかる。
あと、外で居たら、感覚よりも頭で考える方を大事にしているなとわかる。
食事の時間も決まっているから、お腹がすいてなくても、その時間内に食べなきゃいけない。
何を食べてるのか、美味しいのか、不味いのかとかわからない。
部屋が汚いなーと思ってても、疲れていると、何にもしたくない。
時間がかかるけど、がーって掃除したら、疲れも気持ちよくなる。部屋が綺麗だと『過ごしやすいな。気持ちいいな。寝転んでもええんや』とか、むっちゃ昼寝がしたくなる。寝転びたくなる。
寝転びたいことにすら、部屋が汚いと気づかない。

やる前まですごく時間がかかるけど、一度やりだしたら、身体の声が聞こえる。気持ちよくなる。だから、早めにやりたい。でも、疲れには、いろいろ負ける。言い訳の方が得意になる。

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片想い-桜井と紫舟

昨日、少し紫舟さんに電話したくなり、しない。一人で、すごく寂しかった。

雨の中で、自転車を押していた。夜、家までの道が長かった。こんな晩に電話したくなるのだと思っていた。疲れていたのに、お菓子を食べて音楽を聞いていた。気持ちを整理したかった。
安心したけれども、ゆらゆら揺れていた。お風呂に入って、あ、力が抜けた。気づかないうちに肩に全身に力が入っている。

平城さんのことは、紫舟さんに話した。誰とも話したくない、あの人にも知られたくないと思いながら、その思いごと話してしまった。平城さんに好きな人がいると言えなくて、言おう、言おうと思ってて、言えなかった。二人ともに本当のことは言えなかった。わたしは、選択肢を狭めてしまっていた。とても、勝手な思いだ。紫舟さんに繋がらなくて、そして、今日こそ言わなくてはと思って、電話した。けれども、自分が傷つきたくなくて、悪者になりたくなくて、言えなかった。この人には、本当のことは言えないと思った。どんな形でも、告白は気持ちが揺れてしんどい。今回は平城さんに嘘をついていることや、ねこさんの話をしたことや、一般的と言われて傷ついたせいもある。紫舟さんには、言えなかった。価値観が合いそうにないと思ったことも、言えなかった。神社での様子を見て、そう思った。別によいのだけれど。隠している、相手はどうか聞こうとしなかったことがモヤモヤしている。メッセージで、チラリと無理をしていたと言われた。それは伝えて欲しかった。

携帯電話を出してほしくない。ひとつひとつに傷ついている。よく聞いてくれる。また、電話で話すことで、揺れたくない。申し訳ないがメッセージにした。理由は言わない。無茶苦茶、言いにくい。いい人だと思う。素敵な人だと思う。
けれども、無理をしている。話をしすぎてしまっている。電話してきて良いよと言いながら、忙しいは、ない。明日仕事なのに話をしすぎるのもよくない。わたしの体調にもよくない。相手にもよくない。電話した時にも、酔っ払っていた。わたしも、酔っ払った人に似てるなとか、余計なことを言った。後輩の時で、その言い方はダメらしいとまなんだのに。慣れてないのに、嫌いな様子なのに、そう言えない。大丈夫といいながら、本当のことがいえない。


紫舟さんには、言いたくないのに、心配なことを言ってしまった。紫舟さんだから、良い。どうやったら、よかったのかな。嫌われたくないが強くて、だんだん、本当が出せなくなっていく。他の人の方がいいと勧めたくなる。相手の価値を確認したくなる。この人には、もっと相応しい人がいる。穏やかなもの、そっと一緒に笑いあえる恋がしたいらしいのに、年齢的に追いつけない。わたしは、ご飯の時は、親しくてもわかれて座りたい。そばに寄りたい気持ちを否定したくない。嫌じゃないけど、ちょっと違和感がある。なに、一人相撲しているのだろう。

不安で、携帯電話を見つめてしまう。苦しいのは、なんでだろう。紫舟さんに言ったことは、そう。よく、オボエテいない。もしかしたら、追い詰められる前に一声、しんどいと言ってたかもしれない。抱き締めてくれたかもしれない。自分につごう良くかいしゃくしているかもしれない。

自分が好きだ。紫舟さんのことを考えて、道を誤りそうで怖い。転職しようとしてて、何がしたいんだろうとびびった。ここで仕事がしたかったのに、ルールがなくて、言っていいかわからなくて、自分の地位が悔しい。言えないことが悔しい。前は言えたのに、その前に、言いたくないと思ってしまう。嫌われたくないと、思ってしまう。やりたくないと、思ってしまう。時間がないと言い訳してしまう。やりたいことよりも今あることをキチンとと、言われた。対応マニュアルはどうやっているのだろう。ひっかかっても、冷たくしかなれない。自分が干からびてしまう。